
「柔道整復」とは?(前篇) 柔道整復師のお仕事内容を知ろう!
どんなお仕事?

柔道整復師は、日本古来の「柔道整復」という技術を使って、骨や関節、筋肉などにケガをした人の回復を助ける仕事です。
この柔道整復ができるのは、専門の養成施設で技術と知識を身につけ、国家資格を取得した人。たとえば身近なところでは、「ほねつぎ」「接骨院」「整骨院」などの施術現場で働いている人がこれにあたります。
現在、全国で柔道整復師として働いている人の数は約7万人。10年前は約4万人だったことを考えると、この仕事の人気が高まっていることがうかがえます。
特徴は「非観血的治療」

柔道整復の特徴の一つが、患者の体に手で触れてケガの状態を探り、治療も手のひらや指を使って刺激を与えながら行う、ということ。
これは「非観血的治療」と呼ばれ、文字通り出血を伴わない治療=手術をせずに患者の回復をサポートする治療を意味します。
また、柔道整復師は薬の処方も行いません。手技療法によって、人間の持つ治癒能力を最大限に発揮させる治療を行います。
ただし、場合によっては医療機関と連携して、それぞれの長所を生かした治療をすることもあります。患者の症状を改善するために、最善の道を探ることも仕事の一つです。
お仕事の場所は?

柔道整復師が活躍できる場として、代表的なものが「接骨院」や「整骨院」。「ほねつぎ」という看板がある施設もこれにあたります。これらの場で働くことはもちろん、資格があれば独立開業もできます。
他にも、整形外科のような医療施設で、医師や看護師、理学療法士と共に働く柔道整復師もいます。こういった現場では、医療と連携した上での適切な施術を行っています。
また、スポーツトレーナーとして、アスリートたちのサポートをする柔道整復師も。専門知識を活かしながら、ケガの回復や予防などをメインに、選手たちを支えています。
他にも介護施設でお年寄りをケアしたり、健康・スポーツ関連企業や教育機関で働いたりする人も。柔道整復師の活躍の場は広がりを見せており、将来性のあるお仕事だといえます。
やりがい

柔道整復師の仕事におけるやりがいは、何と言っても「人を助ける」こと。それが結果として目に見えて、「ありがとう」と言われる機会の多い仕事でもあります。
ケガによる痛みや生活の不便に苦しんでいる人と、時間をかけて接しながら施術を繰り返すことで、少しずつ患者の症状が治っていくのは、何物にも代えがたい喜びになります。これは柔道整復師として、どういった職場で働いていても変わりません。
もちろん技術を磨くためには日々の勉強が欠かせませんが、その努力が「人を助ける」幅を広げることにつながります。また、学んだことは自分や家族の健康管理に役立てられるメリットも。人を助け、自分を守ることができるのが柔道整復師のお仕事です。