
「あん摩マッサージ指圧師」とは? あん摩マッサージ指圧師の歴史を知ろう!
「あん摩マッサージ指圧」という治療は、あん摩、マッサージ、指圧の技術を使って患者様の身体に起こる変調を緩和する仕事です。
いつごろに誕生し、どのように発展したのか、そのルーツを探っていきます!
あん摩、マッサージ、指圧とは?
あん摩とは、筋肉を手でもみほぐし、東洋医学の基本理念である「虚実(きょじつ)」という概念に応じた使い分けを行い、血行をよくすることが目的で身体の中心から末梢の方向に向けて施術を行います。
他の施術では衣類を着用しない場合も多いですが、あん摩は衣類やタオルの上から施術を行います。
一方、マッサージは同じように手を使って施術しますが、リンパ等の改善をメインとし、一定の圧力をかけてなでるように施術をします。
こちらは洋服やタオル等を挟まず皮膚に直接手技を加えて行いますが、皮膚への負担を軽減させるためオイルを用いることも多くあります。
また、指圧は古法あん摩、導引、柔道の活法を合わせた、一点圧を主体とした独特の施術方法で、一点への刺激を通してさまざまな身体機能を調整するのが目的です。
指圧もあん摩同様衣類やタオルの上から施術を行います。
このように、「あん摩マッサージ指圧師」はひとつの資格として設けられていますが、それぞれの施術方法は異なり、対応可能な症状も異なっています。
ルーツは中国
ここではあまり馴染みのないあん摩について話していきます。そもそもあん摩は、古代中国に始まりました。
中国最古の医学書で東洋医学の基本書でもある「黄帝内径」という書に伝わる手法を元にしています。
東洋医学における経路をめぐる気血の改善に対応し保健医療に用いられる施術法になります。
日本に伝わったのは
中国で生まれたあん摩が日本に伝わったのは5世紀から6世紀の間で仏教とともに日本に渡来したといわれています。
しかし、あん摩が一般的になったのは江戸時代になってからであり、このころから「あん摩」を基礎とした、日本独自のあん摩の手法が体系化されてきました。
視覚障害者とあん摩マッサージ指圧師のかかわり
江戸時代に入ると、幼少期に伝染病で失明し全盲となった杉山和一(1610~94年)が優れた才能と努力によって鍼の施術法の一つである「管鍼法」を考案しました。
また、その際あん摩技術の習得を主眼とした世界初の視覚障害者教育施設とされる「杉山流鍼治導引稽古所」を1682年に開設しました。
それをきっかけに、江戸時代以後は視覚障害者の専業ともいわれるほどに多数の人があはき(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師)によって生計をたてるようになりました。
これは世界にも前例がないことで、明治に入り西洋式の医療制度が導入され民間療法になってからも、盲学校の職業教育に取り入れられて今に至っています。
(※あん摩、マッサージ、指圧の歴史・生まれた時代および施術の方法は他説もあります)
あん摩マッサージ指圧師の魅力
あん摩マッサージ指圧師の最大のやりがいは、『自らが身に付けた技術で、多くの人を健康にできる』ことです。
また、あん摩マッサージ指圧師は自分の腕一本で働ける専門職です。
そのため独立開業しやすく、年齢に関係なく一生働き続けることもできます。
自分の努力でスキルを磨き、キャリアアップできる、自分の身に付けた技術を活かして働きたい、年齢を気にせず長く働きたいという人にはぴったりの仕事です!