業界の動き

業界の動き

近年、柔道整復師の業界(主に整骨院などの施術所)では、注目すべき動きがいくつも出てきています。

これらは、柔道整復師を目指している現役学生から、ベテラン柔整師・整骨院経営者まで広く関わる内容です。 主に以下のようなものがあります。

■柔道整復師数の増加

「柔道整復師」が正規の職業として認められたのは大正9年で、その後、昭和22年に、現在の柔道整復師法の元になる「あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法」が制定されました。

以降70年を超える歴史の中で、柔道整復業界にも変革が起こり、社会面でも、行政の面でも、様々な動きが起こっています。

特に、柔道整復の施術師の増加は問題視されることが多いテーマです。 施術師数は、平成10年に柔道整復師養成校の新規開設が緩和されたのをきっかけに、養成校の増加と比例して急増しています。

厚生労働省が発表している柔道整復の施術所数、および就労している柔道整復師数は、以下の通りです。

・柔道整復の施術所(整骨院、接骨院等)の数
 平成10年 23,114箇所 → 平成28年 48,024箇所(約2.08倍)

・柔道整復の施術に従事している柔道整復師の数
 平成10年 29,087人 → 平成28年 68,120人(約2.34倍)

上記の通り、施術所、柔道整復師数ともに18年間で倍増しています。

これについては、「整骨院が供給過多になっている」「競争が激しくなる」と懸念の声がありますが、同時に「整骨院の増加は社会への認知度アップにつながる」「若い施術師が増えることは業界にとって有益である」という意見も上がっています。

■不正請求問題

施術所、及び柔道整復師の増加とともに表面化したのが、療養費の不正請求問題です。

保険請求の際に「部位転がし」などの方法で療養費を水増ししたり、保険適用外の施術も請求したりする事例が相次ぎました。

さらに、無資格者に施術を行わせた業者が摘発された事件も発生、柔道整復業界がイメージダウンしてしまいました。

その後、政府や保険者による規制強化、業界団体による内部浄化といった対策が取られ、現在も厳しいチェックが続いています。

不正防止策の一環として、平成30年度からは、新規開業者に対し、一定の実務経験と研修受講を義務付ける制度もスタートしました。

■柔道整復師養成校の底上げ

前述の不正防止と、業界の変遷に合わせるため、平成30年度から柔道整復師養成校のカリキュラムが追加されました。

柔道整復師の養成校では、卒業までの取得総単位数が「85単位以上」→「99単位以上」に引き上げられています。

今まで規定がなかった最低履修時間も新設され、「2,750時間以上」となっています。 これは、養成校による格差を是正することが目的です。

また、臨床実習の内容、専任教師の配置、通信教育等の活用といった点も同時に見直しが行われています。

学生や施設側の負担は増えますが、この改正により、業界や施術師の倫理面、技術・知識面での底上げが期待されています。

■業界団体の増加

柔道整復業界では、いわゆる「業界団体」が多く存在し、多くの施術所もそれぞれ何らかの団体に所属しています。

団体が多くあると、施術所の方針に合わせて所属団体を広く選べるという利点があります。

しかし、団体ごとに活動が細分化されてしまい、業界全体としての意見や行動が一致しづらい、行政に対する力も分散されてしまう、というマイナス面もあります。

現在では、全国7万人を超える柔道整復師の業界を良くしていくために、業界全体が協調し、イメージアップへの行動や、政治への働きかけなどを行いやすくすることが望まれています。

以上、代表的な問題点を挙げましたが、同時に柔道整復師は活躍の場を広げており、介護福祉業界での機能訓練指導員、スポーツ業界でのアスレティックトレーナーなどといった現場でのニーズも高まっています。

「柔道整復師」や「整骨院」という言葉は以前と比べて身近なものとなっており、今後も健康志向の高まりや、超高齢化社会の到来に伴って、柔道整復師が社会貢献できる道は大きく開けています。

これからも業界全体で、不正の根絶とあわせ、柔道整復術の継承発展に向けた活動を続けて行くことが大切です。

スリーサイズ・オンラインで求人を掲載してみませんか?掲載はコチラから