接骨院・整骨院・鍼灸整骨院

接骨院・整骨院・鍼灸整骨院

柔道整復師の勤務先として最も多いのは、「接骨院」や「整骨院」、「鍼灸整骨院」などの施術所です。

柔道整復師は国家資格であるため、施術所も法の規定に沿って運営しなくてはなりません。施術所の概要、現状などは以下の通りです。

■名称の違い

柔道整復の施術所は「接骨院」「整骨院」と異なる名称のものがありますが、いずれも柔道整復師が施術を行う施術所であり、同じものを意味します。

ただし、柔道整復師法の第二十四条では、「広告し得る事項」として、「ほねつぎ」「接骨」としか定められておらず、法律上「整骨院」は含まれていないことになります。

しかし一般的に広く浸透している名称でもあり、厚生労働省の公式文書でも「ほねつぎ」「接骨院」と合わせて「整骨院」という表記も用いられているため、現在では問題なしと考えられています。

整骨院と名称が似ているものとして、「整体院」がありますが、整体院の施術者には特定の資格は必要とされておらず、整骨院とは全く異なるものです。

整体院の場合は民間の資格を取得して開院するケースが多く見られます。施術に保険は適用されません。

■施術所で行っていること

柔道整復の施術所では、患者への問診・視診・触診を行い、柔道整復術による手技を中心とした治療を行います。

その他、必要に応じて運動療法、物理療法、テーピングやギプスによる固定、後療法などを行います。さらに、日常生活に関する指導や、回復に向けての治療計画づくりなども実施します。

治療にあたる主な症状は、骨折・脱臼・捻挫・挫傷・打撲といった、いわゆる「ケガ」が中心ですが、最近では様々な自費治療を取り入れる施術所も増えています。

その場合には急性・亜急性のケガだけでなく、痛み、コリ、歪みなどといった慢性の症状にも対応し、矯正治療や、メドマー、ウォーターベッドなど機械を使った治療を行ったり、院の特色やスタッフの強みを活かした施術を取り入れたりするなどして、患者のニーズに対応しています。

また、施術業務だけでなく、事務業務も発生します。代表的なものとしてレセプト業務が挙げられます。

保険適用の治療において受領委任で処理する場合は、療養費請求業務(レセプト業務)が発生するため、管理柔道整復師(施術管理者)が普段の治療に加えて、保険者に療養費を請求する事務書類を作成する業務にも対応します。

■施術所の数と働く人

平成28年末時点の調査で、接骨院・整骨院などの施術所は全国に48,024ヵ所ありました。また、就業中の柔道整復師は68,120人という結果でした。

平成10年の調査では、施術所数は23,114ヵ所、柔道整復師数は29,087人でした。比較すると、施術所数は18年間で2倍以上、柔道整復師数は2.3倍以上という増加率になっています。

今後も、全国の養成施設から毎年数千人の卒業者があることと、独立開院する施術者も増えていく見込みであることから、人数も施術所数もさらに増加傾向が続いていくと見られています。

こういった状況に加え、社会の高齢化、それに伴う需要の変化、廃業する院の数の推移、保険に関する規定の変化、自費診療への対応、付加サービスの多様化など、今後の時流に則った経営が求められるようになります。

■「保険診療」と「自費診療」

柔道整復の施術所では、患者に対して2つの診療方法で対応しています。「保険診療」と「自費診療」です。

保険診療は、法で認められた内容に沿って、療養費に保険を適用するものです。規定された範囲内であれば、健康保険などによる患者負担分を軽減した施術を行うことができます。施術内容により医師の同意が必要なものもあります。

これに対し自費診療は、保険診療以外のものを指し、療養費の全額を患者が負担します。規定外の症状や、リラクゼーション、予防医療などを目的としたものはこれにあたります。

自費診療は、施術の内容や料金を自由に設定できる、療養費の入金遅れがない、事務手続きが簡単である、などのメリットがあり、患者の要望も受け入れやすくなります。

しかし患者の料金負担は増えるため、施術所も完全自費診療の運営を続けるのは容易ではありません。

■受領委任について

施術所で保険適用の施術をした場合の療養費は、患者が一旦全額を支払い、その後に患者自身が保険者に対し保険適用分を請求する「償還払い」が原則です。

ただし、この償還払いは患者の負担が大きいため、例外的なものとして「受領委任」が認められています。

受領委任は、償還払いで発生する患者の負担を軽減するために、患者は自己負担分のみを支払い、施術者(又は代理の団体)が療養費の保険適用分を一時的に負担して、後に保険者へ請求するという方法です。

この受領委任を行うのが「施術管理者」(管理柔道整復師)と言われる柔道整復師です。

■施術管理者の届出要件

柔道整復師の施術管理者届出については、従来は柔道整復師免許があれば誰でも可能でしたが、平成30年度からは要件が追加されています。

追加された要件は、「実務経験」と「研修の受講」で、具体的には以下の内容です(※届出の時期などに応じて一部特例あり)。

<必要とされる実務経験の期間>
・平成30年4月から平成34年3月までに届出する場合→ 1年間の実務経験
・平成34年4月から平成36年3月までに届出する場合→ 2年間の実務経験
・平成36年4月以降に届出する場合→ 3年間の実務経験

<研修の受講>
研修の時間→16時間以上(2日間程度)
研修の内容→(1)職業倫理について、(2)適切な保険請求、(3)適切な施術所管理、(4)安全な臨床

この規定を守れない場合は施術管理者としての届出が受理されないため、受領委任も取り扱えません。内容をきちんと把握しておきましょう。

■施術所の広告

施術所の健全経営に欠かせないのが「集客」です。どんなに施術内容が良くても、来院者が少なければ経営は続けられません。

集客には広告が不可欠です。しかし、施術所の広告は柔道整復師法で次のように規定されています。

柔道整復師法 第24条(※一部抜粋、編集)
柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
1.柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
2.施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
3.施術日又は施術時間
4.その他厚生労働大臣が指定する事項
 (1)ほねつぎ(又は接骨)
 (2)医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
 (3)予約に基づく施術の実施
 (4)休日又は夜間における施術の実施
 (5)出張による施術の実施
 (6)駐車設備に関する事項

この規定に違反すると、処罰の対象となります。法の範囲内で、様々な媒体を利用して自院の存在をPRすることが必要です。

■広告規制強化の動きについて

平成30年5月、「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」が発足し、施術所の広告見直しに関する議論が始まりました。

この検討会で議論を重ね、平成31年度には新ガイドラインを施行、約1年の周知期間を経て、平成32年度から本格的な取り締まりを行う予定となっています。

今後の広告規制は厳しくなる方向に向かうと思われます。広告方法の見直しなどについて、施術所単位でも準備を整えておく必要があります。

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