業界の動き

業界の動き

鍼灸の業界は時代と共に変遷しており、近年は特に大きな変化がいくつもありました。

その内容は、今から鍼灸師を目指す人から、ベテランの鍼灸師に至るまで広く関わるものです。 主なものをいくつか紹介します。

■機能訓練指導員の要件へ追加

介護福祉施設などで勤務する「機能訓練指導員」になるための要件は、従来は以下の資格保持者に限られていました。

・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
・看護師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士

平成30年からは、鍼灸師の資格も対象として追加され、介護業界の人材不足などの問題を解消する方向で進められています。 ただし、要件追加において下記の条件が付与されています。

「柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、看護職員、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の資格を有する機能訓練指導員を配置した事業所で6月以上勤務し、機能訓練指導に従事した経験を有すること」

介護福祉の業界は、超高齢化社会の到来を見越して今後の成長が期待されており、鍼灸師の活躍の場も広がっていくことと思われます。

■受領委任の導入

鍼灸の療養費の支払では、一旦患者が全額を負担し、後に保険者に対して患者自身から保険負担分を請求する「償還払い」が原則です。

この償還払いは患者側の負担が大きいため、保険の請求・受領を施術者や業者が代行する「代理受領」が認められています。

しかしこの代理受領で不正が相次いだため、柔道整復の施術所の例に倣い、鍼灸の施術所でも「受領委任制度」を導入することになりました。

受領委任制度は、都道府県や地方厚生局長への届出が必要であることなどから、比較的行政が管理しやすい制度だとされています。

■養成施設のカリキュラム追加

平成30年度より、鍼灸師養成施設のカリキュラムが一部変更されました。

カリキュラムは全10項目にわたって追加され、総取得単位数もそれに応じて引き上げられています。

具体的な単位数は、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の、取得資格によって変わります。

また、従来規定がなかった最低履修時間も、今後は資格ごとに設定されます。 この目的は、養成施設間での格差をなくすことです。

さらに上記全ての資格で、臨床実習の内容、専任教師配置の要件、通信教育などの活用、といった点なども同時に見直されています。

■治療以外でのニーズの拡大

鍼灸は本来、心身の不調を治療することを目的とした施術法ですが、その安全性や効果などが評価され、他の目的でのニーズも高まっています。

例えば、美容という目的に特化した美容鍼灸や、リラクゼーション施術としての鍼灸術の活用などが挙げられます。

その他、スポーツ医療におけるスポーツ鍼灸、動物病院で行われるペット鍼灸なども注目されているジャンルです。

鍼灸は国際的にも知名度が上がっており、欧米では代替医療として地位が確立されています。 今後、2020年の東京オリンピック開催に関連してさらにスポーツ鍼灸などの有用性・安全性が広く認知されることも期待されています。

■鍼灸師と施術所の数

鍼灸は古い歴史を持つ伝統医療ですが、近年でもその人気は衰えず、免許保持者の数も年々増加しています。

同時に、鍼灸院などの施術所も数が増えており、最近は以下のように変動しています。

<平成18年>
鍼灸の施術所・・・17,794ヵ所
あん摩マッサージ指圧及び鍼灸の施術所・・・34,517ヵ所
就業はり師・・・81,361人
就業きゅう師・・・79,932人

<平成28年>
鍼灸の施術所・・・28,299ヵ所
あん摩マッサージ指圧及び鍼灸の施術所・・・37,780ヵ所
就業はり師・・・116,007人
就業きゅう師・・・114,048人

平成30年に実施された第26回国家試験では、はり師2,667人、きゅう師2,845人の合格者がいました(大半は両資格で重複)。

この第26回国家試験は過去最低の合格率という結果でしたが、それでも2,000人を大きく超える鍼灸師が毎年誕生していることになります。

こういった若い施術師たちが業界を後押ししながら、鍼灸も日々進化・変化を続けています。 今後も、鍼灸業界の動きに注目が必要です。

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