訪問鍼灸

訪問鍼灸

,「訪問鍼灸」は、店舗を必要としないため比較的手軽に開業できることや、超高齢化社会の到来に向けて需要の拡大が見込まれることなどもあり、注目度の高い業態です。

,事業を全て個人で行えることも魅力の一つである訪問鍼灸とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

訪問鍼灸の仕事

,訪問鍼灸は、主に高齢者を対象にすることが多い仕事です。自力での通院ができない患者などに対し、自宅での鍼灸施術を行います。

,自力通院ができない、というのは、加齢やケガ、麻痺などのため歩行が難しかったり、寝たきりの状態で生活したりしている人を主に意味します。

,こういった患者は。健康な人に比べて運動量が少ないため、筋肉の働きは鈍くなり、関節の動きも衰えていきます。運動ができない生活をしている限り、この傾向は変わらず、徐々に悪化してしまいます。

,こういった人に向けて、自宅にいる状態で鍼灸治療を施し、身体に刺激を与え、生活状態に近づけて回復をめざしたり、痛みを緩和したりするのが訪問鍼灸の仕事です。

,高齢者を対象とする仕事であるため、患者の家族と綿密なコミュニケーションをとることも重要で、ケアマネージャーや介護福祉士、担当医などとの連携が必要となることもあります。

適性と副次的な効果

,訪問鍼灸を行う際には、はり師・きゅう師としての技術や知識だけでなく、高齢者介護の視点からも様々なケア能力が求められます。

,中でも大切なのはコミュニケーション能力です。高齢者と施術者がコミュニケーションを重ねることで、心理的なサポートができるという点も期待されています。

,また、高齢者に対して施術を行う際には、動作を柔らかくする、大きな声で、優しく語りかけるなどの配慮が必要です。

,これらをふまえ、施術師にも思いやりと高齢者介護の基礎知識、細かいところに心配りができる几帳面さなどが求められます。

訪問鍼灸は保険適用が可能

,訪問という形態であっても、鍼灸治療としての取り扱いは同じなので、訪問鍼灸をすることができるのは「はり師・きゅう師」の国家資格を有する施術者のみです。

,治療を目的とした行為なので、医療保険を適用することができ、利用する人の負担額は数百円程度のケースが大半です。

,ただし、「鍼灸」という名目でも、美容やリラクゼーションを目的としたようなものは治療行為ではないので、保険の対象外となります。

,さらに、「はり師・きゅう師」の有資格者であっても、自己判断で全て采配できるわけではなく、医師の同意があってはじめて医療保険適用の施術をすることができます。

仕事のやり方

,訪問鍼灸の仕事をする方法としては、大きく分けると、個人もしくは自分の院で直接受託する方法と、患者から治療の依頼を受ける会社などから間接的に受託する方法があります。

,個人もしくは自分の院で受託する場合、患者から訪問鍼灸の依頼が飛び込みで入るケースはまれなので、サービスをしていることをPRし、自分から働きかける必要があります。

,一般的には、介護施設やケアマネージャーに働きかけ、訪問鍼灸の仕事を紹介してもらうことが多いようです。

,上記の方法ではなく、訪問鍼灸のサービス会社に仲介してもらう場合は、その会社に社員として入社したり、アルバイト・パート登録をしたりして仕事にあたるケースや、フランチャイズとして経営する、または有資格者としてサービス会社に登録する、といったケースが考えられます。

,参考までに、現在就業中の鍼灸師で、訪問鍼灸を専門とする勤務先に努めている人は、就業者全体のおよそ6~7%という調査結果があります。

,現在は全体に占める割合は低めですが、今後のニーズの増加と、施術所の飽和によって訪問鍼灸は増えていく可能性が高いと言われています。

収入は?

,訪問鍼灸による収入は、個人で直接請け負っている場合だと訪問件数や施術内容によって異なりますが、1件平均3,000円程度のサービスを提供し、1日に7~8件を訪問したとして概算2~3万円くらい(1日あたり)になります。

,また、会社に所属して社員として仕事をする場合、月収で20~40万円くらいが相場です。こちらはインターネットの求人サイトなどでも確認できます。

,アルバイトとして訪問鍼灸を行う場合は、時給1,000円~1,500円が中心で、会社によって幅があります。出勤時間や場所も患者からの治療依頼に応じてフレキシブルに対応することになります。

,もちろん、上記についてはその人のキャリアや、仕事をするエリアなど、諸条件によって金額は変わります。

,あくまでも目安の金額ですが、今後は社会の高齢化によってニーズの高まりも見込まれる仕事だということもあり、その人の努力とサービスの向上で収入増が見込めます。

開業する場合

,訪問鍼灸を専門として独立開業する場合は、施術所を開院する必要がない、開業コストが抑えられる、開業までの期間を短くできる、などのメリットがあり、そういった点でも人気があります。

,鍼灸師が開業する際には、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(以下・あはき法)の規定により、届出義務があります。

, ,,<あはき法・第9条の2より>
,,施術所を開設した者は、開設後十日以内に、開設の場所、業務に従事する施術者の氏名その他厚生労働省令で定める事項を施術所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。その届出事項に変更を生じたときも、同様とする。

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,この届出を怠ると、処罰(30万以下の罰金)の対象となります。これは、訪問鍼灸が専門で、固定の施術所を開設しない人も同様です。

,また、平成30年度から鍼灸業界にも適用が始まった「受領委任」を行う場合も、施術管理者の登録が必要になります。

,受領委任の現場導入は、平成31年1月から開始の予定です。詳しくは、本ホームページの業界ニュース「あはき施術所への受領委任導入は、平成31年開始に変更」を参照ください。

療養費と往療料

,訪問鍼灸は、施術所における鍼灸とは診療形態が異なりますが、収入面においても療養費に加え、訪問にかかった交通費(往療料)が加算されるという違いがあります。

,往療料は、施術基点(※施術所の所在地または保健所に届け出した住所地)から往療先への直線距離に応じて決められており、一定の距離以上離れたところへの往療は、特別な事情がある場合を除き禁じられています。

,また、療養費は通常の施術所と同様、保険適用範囲内のものについて、医師の同意があれば公的医療保険を適用することができます。それ以外の施術については、すべて自費診療です。

,この往療料と療養費については定期的に見直しが行われており、直近では平成30年6月1日に改定が実施されています。改定内容は以下の通りです。

, ,はり師・きゅう師の施術に係る療養費改定
,・施術料 1術[はり又はきゅう](旧)1,300円→(新)1,540円
,     2術[はり及びきゅう](旧)1,520円→(新)1,580円
,・往療料(旧)1,800 円、2 ㎞増すごとに770 円加算
,       片道8~16kmは2,310円加算
,    (新)2,300 円、片道4 ㎞を超えたら2,700 円
,・施術報告書交付料300 円(※平成30年10月1日より施行)

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,訪問鍼灸は将来性のある仕事です。これから業として行うことを考えている人は、こういった内容を把握した上で、法規にのっとった透明性のある業務を行うよう心がけましょう。

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