国家試験対策・過去問

国家試験対策・過去問

,年に1度実施される、はり師・きゅう師国家試験。試験の基本的な部分が大きく変わることはありませんが、回を重ねるごとに改変される部分も出てきています。

,国家試験を受験する人は、最新情報を集めて、有効な対策を取るようにしましょう。

試験は四択、正答6割以上が合格ライン

,「はり師国家試験」「きゅう師国家試験」では、午前・午後で各80問ずつ、合計160問が出題されます(※はり師・きゅう師いずれか一つのみ受験の場合は午後70問)。

,回答はマークシートの四者択一制です。以下に問題の例を示します。

,<問題>三焦を通って全身に分布する気はどれか。
, (1)原気
, (2)宗気
, (3)営気
, (4)衛気

,この問題は、2017年実施の第25回国家試験から引用しています。ちなみに、正解は(1)です。

,但し、全ての問題が正答1問のみというわけではありません。直近5年間の国家試験では、正答が2つ以上存在するものが毎年1~3問ありました。

,試験合格の基準は、はり師・きゅう師の単一資格受験問題数150問のうち90問(正答率6割)以上を正解することが条件とされています。

,試験問題は養成校で学ぶ内容に準じて作成されているので、教科書と授業で学んだことが正しく頭に入っていればクリアできます。

,過去に実施された国家試験の問題集も各社から出版されており、書店でもWebでも購入可能です。また、無料で問題と正答が公開されているWebサイトもあります。

過去問・模試の有効利用を

,教科書や授業内容の見直しに加え、過去問を解くことや、学校で行われている模擬試験に参加することは非常に有効です。

,点数をチェックするだけでなく、苦手な分野や、間違いのクセなどを見直し、自己分析を繰り返していくと、おのずと成績も上がっていきます。

,また、正しい回答を選ぶことはもちろん重要ですが、4択のうち正解でないものについても、その内容を理解していることが大切です。

,選択肢に提示された言葉がそれぞれ何を意味しているのか、どうしてその答えを選ばなかったのか、ということが説明できれば、同じテーマで出題の形態が変わっても正解を選ぶことができます。

,回答結果の正誤に関わらず、問題に出てくる言葉や、関連していることなどを調べ、全体を理解した上で解答できる範囲を広げられるように備えておきましょう。

マークシート回答のコツを体で覚える

,国家試験はマークシートでの回答なので、ケアレスミスで点を失うこともあります。わずかな言葉の違いによる“ひっかけ問題”を見抜く力や、文章を読み解く力も必要です。

,また、苦手な問題が連続したり、出題傾向が予想を外れていたりしたことが原因で冷静さを欠いてしまうと、さらに間違いを増やしてしまうことになります。

,回答するペース配分も重要です。たとえば併願の160問全部を全試験時間の240分で解答するには、1問を90秒以内に終える必要があります。このペースを体で覚えておくと、試験本番で焦りを感じることを防げます。

,何よりも、落ち着いて問題の内容を理解した上で回答を選ぶことが、失点の防止になります。そういった心理的な部分も過去問や模試でシミュレーションしておくことが大切です。

近年の傾向

,はり師・きゅう師国家試験では、試験開始当初に9割ほどだった合格率が近年低下してきており、平成30年に実施された第26回国家試験では過去最低の数字となるような状況でした。

,合格率が低迷している要因は様々ですが、試験の難易度が上がってきていることも一因だという意見があります。

,そのため、過去問題が最新の試験内容にマッチしていない、ということも今後は起こってくる可能性があります。

,受験対策として過去問題に取り組むことは有効ですが、過去問題集を解いただけで安心せず、さらに入念な準備を行うことが必要です。

既卒者はさらに入念な対策を

,はり師・きゅう師国家試験の合格率は、直近の第26回試験ではり師57.7%、きゅう師62.5%ですが、内訳は下記のようになっています。

,はり師・新卒者・・・・73.9%、既卒者・・・9.7%
,きゅう師・新卒者・・・78.5%、既卒者・・・12.1%

,上記の通り、両資格とも、既卒者にとって狭き門となっています。この傾向は近年変わらず同様です。

,新卒の学生に比べて長い期間勉強をしているはずであるにも関わらず、既卒者の合格率が非常に低い原因は、以下のようなものが考えられます。

,・試験勉強に関するフォローが受けられない
, 模擬試験や集中講座などの国家試験受験シミュレーション、及び対策講座、講師からのアドバイス、直接の質疑応答などを受けられる機会がないため、既卒者は自分の力で勉強を進めることになります。

,・集中して勉強だけをする時間が持てない
, 現役の学生は、学校での授業時間は半ば強制的に鍼灸の勉強と向き合うことになります。既卒者は現役生と同等、あるいはそれ以上の時間を勉強に集中する必要がありますが、そのためには強い自己管理能力が求められます。

,・周りの生徒と比べて試験日までのペース配分を決めたり、焦ったりすることがない
, 現役生は学生同士で情報を交換しながら、自分の達しているレベルを知ることができ、遅れが見られれば焦りを感じます。また、同級生とも比較したり相談したりしながら国家試験当日までのペース配分も決めることができますが、既卒者はそういった比較や調整が難しくなります。

,・最新情報が入手しづらい
, 養成施設に通っていれば、受験に関する最新情報を講師や同級生から得ることができますが、個人の場合はそういった情報源も確保しづらくなってしまいます。

,以上のように、国家試験の受験については既卒者に不利な条件が多くなります。しかし、熱意があれば合格は可能です。実際に第26回試験でも1割前後の既卒者は試験に合格しています。

,なお、個人ではやはり不安があるという人は、予備校を利用するという方法があります。

,はり師・きゅう師の受験予備校では、主に既卒生を対象として国家試験対策授業を行うため、試験勉強に集中することができます。さらに、学費を払っているための、「合格しなくては」というプレッシャーも生まれます。

,学校によって異なりますが、系列校以外の卒業生受け入れを行っているところもあるので、調べてみましょう。

試験直前の対策

,試験が近づいてきたら、残りの日数と、克服すべき点、解いておきたい過去問題などを整理してスケジュールに落とし込み、試験日に自分が“仕上がっている”状態に持っていけるよう調整しましょう。

,試験直前には、会場へのアクセスを再確認し、天気予報をチェックして、悪天候などで交通に乱れが発生しないかといった予測を立てることも大切です。

,そしてラストスパートと同時に心がける必要があるのが、体調管理のこと。試験実施の頃は、風邪やノロウイルス、インフルエンザの流行期と重なります。

,うがい・手洗い・マスクの着用・人ごみを避けるといった予防の基本を守りつつ、睡眠、栄養補給、室内の保湿などにも留意し、万全の態勢で試験に挑みましょう。

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