
問題数
,はり師・きゅう師の国家試験は、午前・午後を通しての長丁場になります。
,問題数も多く、長時間にわたって問題に取り組む集中力が試されますが、同時に回答する上でのポイントを抑えておくことが大切です。
問題数は午前・午後で160問(併願の場合)
,はり師・きゅう師の国家試験は、全てマークシートによる回答方式が採用されており、出題される問題の数は下記の通りとなっています。
,●午前の部:80問
,●午後の部:80問(※はり師・きゅう師いずれか一つ受験の場合は70問)
, 午前・午後 合計:160問(※はり師・きゅう師いずれか一つ受験の場合は150問)
,上記の問題を決められた時間内に回答し、正答数の合格ラインをクリアする必要があります。試験の実施時間は以下の通りです。
,●午前の部:120分( 9時00分~11時00分)
,●午後の部:120分(13時10分~15時10分)
,(※はり師・きゅう師いずれか一つ受験の場合は14時55分終了)
,1日にわたる長丁場なので、受験勉強による睡眠不足で後半に集中力が切れたりしないよう、体調も整えておく必要があります。
問題を解いていくペース配分
,はり師・きゅう師国家試験は、単純に計算すると、1問あたり1分30秒以内で回答していく必要がある、ということになります。
,充分な時間のように感じられるかもしれませんが、選択肢に迷ったり、記憶をたどったりしていると、1分30秒という時間は思ったよりも早く過ぎてしまいます。
,得意な設問を素早く回答し、解答時間をできるだけストックして、最後になって時間切れにならないようペース配分をする必要があります。
,こういった感覚は、過去問題や模擬試験で身につけることが可能です。全問に答えることができるペースを考えながら取り組んでみましょう。
試験科目
,はり師・きゅう師国家試験の試験問題は、全部で13科目の中から出題されます。内容は以下の通りです。
,医療概論(医学史を除く)、衛生学・公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学概論、臨床医学総論、臨床医学各論、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論、はり理論またはきゅう理論
,上記出題内容について、はり師・きゅう師を併願で同時に受験する場合は、はり理論・きゅう理論がいずれも対象となります。
,はり師・きゅう師いずれか一つ受験の場合は該当する資格の問題が回答対象となり、時間も短縮されます。
,ただし、これらはあくまでも過去の出題傾向であり、今後出題方針が変更になる可能性もゼロではありません。
,関連する内容をまんべんなく勉強し、不得意科目を作らないための対策を練ることが大切です。
具体的な問題配分
,はり師・きゅう師の国家試験問題は、以下のような配分で出題されています。
,・医療概論~2問
,・衛生学・公衆衛生学~9問
,・関係法規~4問
,・解剖学~11問
,・生理学~11問
,・病理学概論~7問
,・臨床医学総論~11問
,・臨床医学各論~25問
,・リハビリテーション医学~8問
,・東洋医学概論~13問
,・経絡経穴概論~13問
,・東洋医学臨床論~26問
,・はり理論~10問
,・きゅう理論~10問
,合計:160問
,上記は平成30年実施の第26回はり師・きゅう師国家試験にもとづいたものであり、この配分は毎年微調整が加えられています。
,この10年間で見ると、以前より「解剖学」や「生理学」の問題数が少なく抑えられてきた傾向にあります。
,逆に、「臨床医学総論」「臨床医学各論」や、「東洋医学臨床論」といった科目は微増傾向にあります。
,こういった流れが継続されるかどうかは不明ですが、「はり理論」「きゅう理論」といった分野の出題数はここ10年で大きく変わっていません。
合格基準
,はり師・きゅう師国家試験における合格基準は、厚生労働省による規定で、以下の通りとなっています。
,「配点を1問1点、合計150点満点とし、90点以上を合格とする。」
,(※問題数は、はり師・きゅう師いずれか一つ受験の場合)
,つまり、合格ラインに達するためには、60%以上の正答率が必要ということになります。
,試験そのものは、時間との戦いになるので、問題を読んでできるだけ早く判断することが求められます。また、分からない問題は解けるまで考え込んだりせず、後回しにして頭を切り替え、先の問題に進む決断力が大切です。
,そういった回答のリズムをつかむためにも、受験対策として過去の問題を解く際には、併願の場合で午前の部80問、午後の部80問と分け、回答に要した時間をそれぞれ計測し、ペース配分を事前にシミュレーションするのが有効です。
,時間配分も240分全てを使い切るのではなく、見直しができる程度の余裕を持って全問終了するのが理想です。
,また、マークシート方式の回答であるため、ケアレスミスは結果に大きく響きます。回答欄の記入ミスや、ひっかけ問題への注意も必要です。
,近年、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の国家試験と同様、難易度が高くなっていると言われている国家試験ですが、未知の分野から出題されることはありません。
,日頃の努力の成果を最大限発揮できるよう、充分な準備をした上で試験に臨みましょう。
,事前シミュレーションの際には、道具、環境などをできるだけ本番に近づけて、時間を計測し、実践練習を重ねながら試験当日に備えましょう。
柔道整復師国家試験の問題数改定について
,はり師・きゅう師と直接関係はありませんが、柔道整復師国家試験については、平成30年3月に、試験運営を行っている柔道整復師研修試験財団から以下のような発表がされました。
,「必修問題について(中略)従来の30問では、実力を適性に評価できないおそれがあるため50問に増やす。」(※財団の資料より抜粋)
,この改定は2020年実施の第28回国家試験から実施され、問題総数が230問から250問に増やされます。
,改定に至った流れについて、同財団の通知は、「国家試験の更なる質の向上を図るために、柔道整復師としての基本的事項を問う必修問題の出題範囲を見直し、必修問題数の増加を行う」というものでした。
,この動きに対して、柔道整復の業界内からも様々な反応が出ています。特に平成30年度は多くの改定が行われており、業界内で対応に追われているという実情もあります。
,また、養成施設のカリキュラム追加や試験の厳格化によって、新規の免許取得者が目減りする可能性なども指摘されています。
,現在は柔道整復師に関する問題ですが、養成施設のカリキュラム追加や療養費に関する改定などは、柔道整復師とはり師・きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の4資格で足並みを揃えてきたという流れがあります。
,今後の受験を考えている人は、国家試験に関する動向について注意しておくことが必要です。
,※本記事の内容は、平成30年7月時点のものであり、今後変更になる可能性があります。また、上記の試験内容などは晴眼者の場合のもので、視覚障がい者が受験する場合は、受験時間、試験方法、回答方式などが別途設定されています。詳しくは下記ホームページをご確認ください。
,→ 公益財団法人 東洋療法研修試験財団ホームページ へ