
【後編】福岡ソフトバンクホークス 甲斐拓也選手に聞く「プロスポーツ選手がトレーナーに求めるもの」
前回、
福岡ソフトバンクホークス 甲斐拓也選手に聞く「プロスポーツ選手がトレーナーに求めるもの」前編
をお伝えしました。今回は甲斐選手へトレーナーについて伺っていきます。

甲斐選手: 一緒に戦ってくれる 大切な存在
トレーナーには、本当に助けられています。スポーツをやっていると色々な知識が必要になってきますけど、僕は正直言って、体の仕組みとか、筋肉とか、体の動きとかについて、あまり詳しくないんですよ。今ではトレーナーたちとの付き合いをしてきた結果、ある程度分かるようになってきたんですけど、最初の頃は自分の体のことが自分で理解できていなかったんです。
そういった時にトレーナーの方たちに話を聞いて、筋肉や関節の動きとか、可動域とか、それらがどうすれば良くなるのか、といったことを教えてもらうと、選手としての結果につながるんです。本当に勉強になることが多いし、自分がこれから野球をする上で必要なものを教えてくれる。一緒に戦ってくれる大切な存在だと思っています。
甲斐選手: 一つひとつきちんと応えてくれる
技術は大切かもしれませんが、トレーナーも人それぞれだと思うので、その人の色というか、自分のやり方でやってくれればいいと思っています。それよりも僕が求めているのは、一つひとつにきちんと応えてくれるということ。処置や対策をしてもらう時にも、部位なら部位で、なんでこうなって、それに対してどうするのかということを説明してもらうとすごく腑に落ちるんです。選手からすると、理解して納得した上で処置してもらうのとそうでないのとでは大きく違いますから。
あとは「愛情」。やっぱり心を込めてやってくれた方が気持ちいいです。もちろんトレーナーの方もすごく大変だし、楽な仕事じゃないと思うんですけど、そんな中でも愛情を持ってマッサージとかをやってくれると、すごく伝わってくるんですよ。そういった時にはメンタルも落ち着きますし、素直に「頑張ろう!」と思います。
甲斐選手: 僕、結構わがままなんですよ(笑)キャッチャーというポジションをしていることもあって、時間がないんですよね。しかも毎日試合に出ていると体はきつくなる。でもそんな時に、「今、10分でいいんでマッサージしてください!」っていうリクエストをして、それにトレーナーの方も付き合ってくれるんです。本当に、「こんなわがままな選手をここまできちんとケアしてくれて……」という感謝の気持ちは常にあります。
トレーナーの方は、まず一番に選手のことを考えてくれています。だから無理しない方がいい時にはそれをはっきり言ってくれるし、やるべきことはきっちりやった方がいいと伝えてくれる。毎日野球ができるのは、本当に彼らのおかげです。

甲斐選手: 強い気持ちを持ち続ける
一番大事なのは、やっぱり一生懸命になれるかどうかという、その人の「気持ち」だと思います。
もちろん、どんな仕事でもプロになるには、技術が求められます。でも、短い時間でみたら技術が武器になるかもしれませんが、長い目でみたら、それだけじゃ無理。もっと必要なものがある、と僕は思っています。
自分の例で言うと、僕は育成で、一番下の立場で野球の世界に入ったんですよね。ただ、それでも自分を信じて、一生懸命やればたどり着けると思ってやってきたんです。技術に関してはどうにでも補えます。ただ、それを補う過程でも一生懸命やらないと無理だし、目標に一歩一歩近づくためには、「やってやる!」という強い気持ちを持ち続けることが何より大事です。
甲斐選手: 仕事を選ぶということは、好きな道を選ぶこと。僕も好きで野球やっていますし、好きだからこそ頑張りますよね。この“好き”を皆さんも大切にして欲しい。自分の夢に向かっていくということは、好きな気持ちをどんどん大きくしていくことですから。
ただ、好きなことをやるにしても、自分に満足してしまうとそこで終わってしまうので、満足せずに「もっとできるんじゃないか」とか「どうしたらいいのか」って考え続けるのが大事だと思うんです。
その気持ちを持って、自分を信じて、そしてどんなことがあってもあきらめない。どんな夢でも、最初からうまくいくことはなくて、いろんな壁が向こうからぶつかってきます。その時に絶対あきらめないこと。これが、夢を実現しようと思う人にとって、一番大切なことだと思います。
好きなことに向かって、がむしゃらに頑張っていきましょう!
福岡ソフトバンクホークス 甲斐拓也選手に聞く「プロスポーツ選手がトレーナーに求めるもの」前編
をお伝えしました。今回は甲斐選手へトレーナーについて伺っていきます。
-PROFILE
甲斐拓也(かい たくや)選手
1992年、大分県生まれ。
2010年育成ドラフト6巡目で福岡ソフトバンクホークス入団、2013年支配下登録。
2017年に開幕一軍入りを果たし、ホークスの看板捕手となる。背番号は「62」。
2018年は自己最高となる133試合に出場。
盗塁阻止率.447で12球団の捕手中唯一の阻止率4割超を記録し、育成ドラフト出身選手としては初の日本シリーズMVP他、数々の賞を受賞。
甲斐拓也(かい たくや)選手
1992年、大分県生まれ。
2010年育成ドラフト6巡目で福岡ソフトバンクホークス入団、2013年支配下登録。
2017年に開幕一軍入りを果たし、ホークスの看板捕手となる。背番号は「62」。
2018年は自己最高となる133試合に出場。
盗塁阻止率.447で12球団の捕手中唯一の阻止率4割超を記録し、育成ドラフト出身選手としては初の日本シリーズMVP他、数々の賞を受賞。
トレーナーに求めるものは「愛情」

Q1 プロ野球選手にとって、 トレーナーとはどんな存在ですか?
甲斐選手: 一緒に戦ってくれる 大切な存在
トレーナーには、本当に助けられています。スポーツをやっていると色々な知識が必要になってきますけど、僕は正直言って、体の仕組みとか、筋肉とか、体の動きとかについて、あまり詳しくないんですよ。今ではトレーナーたちとの付き合いをしてきた結果、ある程度分かるようになってきたんですけど、最初の頃は自分の体のことが自分で理解できていなかったんです。
そういった時にトレーナーの方たちに話を聞いて、筋肉や関節の動きとか、可動域とか、それらがどうすれば良くなるのか、といったことを教えてもらうと、選手としての結果につながるんです。本当に勉強になることが多いし、自分がこれから野球をする上で必要なものを教えてくれる。一緒に戦ってくれる大切な存在だと思っています。
Q2 選手がトレーナーに求めていることとは?
甲斐選手: 一つひとつきちんと応えてくれる
技術は大切かもしれませんが、トレーナーも人それぞれだと思うので、その人の色というか、自分のやり方でやってくれればいいと思っています。それよりも僕が求めているのは、一つひとつにきちんと応えてくれるということ。処置や対策をしてもらう時にも、部位なら部位で、なんでこうなって、それに対してどうするのかということを説明してもらうとすごく腑に落ちるんです。選手からすると、理解して納得した上で処置してもらうのとそうでないのとでは大きく違いますから。
あとは「愛情」。やっぱり心を込めてやってくれた方が気持ちいいです。もちろんトレーナーの方もすごく大変だし、楽な仕事じゃないと思うんですけど、そんな中でも愛情を持ってマッサージとかをやってくれると、すごく伝わってくるんですよ。そういった時にはメンタルも落ち着きますし、素直に「頑張ろう!」と思います。
Q3 トレーナーとの付き合いの上で、 印象に残っているエピソードが あればお聞かせください。
甲斐選手: 僕、結構わがままなんですよ(笑)キャッチャーというポジションをしていることもあって、時間がないんですよね。しかも毎日試合に出ていると体はきつくなる。でもそんな時に、「今、10分でいいんでマッサージしてください!」っていうリクエストをして、それにトレーナーの方も付き合ってくれるんです。本当に、「こんなわがままな選手をここまできちんとケアしてくれて……」という感謝の気持ちは常にあります。
トレーナーの方は、まず一番に選手のことを考えてくれています。だから無理しない方がいい時にはそれをはっきり言ってくれるし、やるべきことはきっちりやった方がいいと伝えてくれる。毎日野球ができるのは、本当に彼らのおかげです。
「技術よりも大切なもの」

Q4 プロになれる人と、なれない人の、一番の違いは何でしょうか?
甲斐選手: 強い気持ちを持ち続ける
一番大事なのは、やっぱり一生懸命になれるかどうかという、その人の「気持ち」だと思います。
もちろん、どんな仕事でもプロになるには、技術が求められます。でも、短い時間でみたら技術が武器になるかもしれませんが、長い目でみたら、それだけじゃ無理。もっと必要なものがある、と僕は思っています。
自分の例で言うと、僕は育成で、一番下の立場で野球の世界に入ったんですよね。ただ、それでも自分を信じて、一生懸命やればたどり着けると思ってやってきたんです。技術に関してはどうにでも補えます。ただ、それを補う過程でも一生懸命やらないと無理だし、目標に一歩一歩近づくためには、「やってやる!」という強い気持ちを持ち続けることが何より大事です。
Q5 今、夢に向かって進んでいる 若者たちにメッセージを!
甲斐選手: 仕事を選ぶということは、好きな道を選ぶこと。僕も好きで野球やっていますし、好きだからこそ頑張りますよね。この“好き”を皆さんも大切にして欲しい。自分の夢に向かっていくということは、好きな気持ちをどんどん大きくしていくことですから。
ただ、好きなことをやるにしても、自分に満足してしまうとそこで終わってしまうので、満足せずに「もっとできるんじゃないか」とか「どうしたらいいのか」って考え続けるのが大事だと思うんです。
その気持ちを持って、自分を信じて、そしてどんなことがあってもあきらめない。どんな夢でも、最初からうまくいくことはなくて、いろんな壁が向こうからぶつかってきます。その時に絶対あきらめないこと。これが、夢を実現しようと思う人にとって、一番大切なことだと思います。
好きなことに向かって、がむしゃらに頑張っていきましょう!