来年度、あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師にも導入される受領委任制度について

来年度、あん摩マッサージ指圧師・鍼灸師にも導入される受領委任制度について

受領委任とは?(療養費請求~受領の種類)



厚生労働省は今年、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうの療養費(以下、あはき療養費)について、2018年度から「受領委任」制度を取り入れると発表しました。

「受領委任」による支払とは、患者が自身の負担分だけを支払い、それ以外の保険者負担分については施術者に委任し、保険者に請求を行ってもらうことを意味します。

これに対し、患者が施術者に料金を全額支払い、その後に患者自身で保険者に対し保険者負担分を請求する、という方法は「償還払い」と呼ばれます。

現在のあはき医療は、この「償還払い」が原則となっていますが、料金面でも労力の面でも患者の負担が大きいため、施術者や代行業者に療養費の請求・受領を委任する「代理受領」が認められています。

この代理受領は、療養費ベースで95%以上を占めると推計されていますが、あはき療養費については施術者を管理する仕組みができていないため、不正請求の事案が発生していると見られています。


受領委任の手続き



受領委任をする場合、治療施設で施術を受けた患者は、自己負担分を施術者に支払います。これとあわせて、レセプト用紙に委任の署名をすることで委任が成立します。

施術者は患者からの委任を受けて、療養費の支給請求書を保険者に提出、審査後に保険適用分が保険者から施術者に支払われます。

大まかな手続きは以上の通りで、病院での支払方式と似ています。この流れは、柔道整復師については例外的な扱いとして、既に導入されています。


なぜ導入するのか?



厚労省がこの制度を導入する大きな狙いは、現在問題になっている不正請求の防止です。

前述の通り、あはき療養費については施術者を管理する仕組みができていないため、不正請求の事案が多々発生していると見られています。

特に、後期高齢者医療制度については、2008年の施行から現在までの期間で、保険者が返還を求めた金額が約9億5千万円にのぼります。

このような事例は、あはき療養に限ったことではなく、すでに受領委任制度を取り入れている柔道整復の業界でも、いまだに不正請求が行われている実態があり、こちらも問題となっています。


今後の流れ

この制度の導入については、指導監督の実効性に対する懸念や、受領委任制度下での不正請求発生の懸念、導入に反対する保険者がいる、といった意見も出ています。

これに対し厚労省は、「平成29年度中に不正対策の制度設計の内容を見極め、受領委任制度による指導監督等について検討・調整を行い、平成30年度中に受領委任制度と不正対策をあわせて実施」と回答しています。

ただし、不正対策については、受領委任制度の施行を待たずに、先行して実施するとしています。

厚労省による不正対策への取り組みは、下記の5つが挙げられています。
(1)患者本人による請求内容の確認
(2)医師の同意・再同意
(3)長期・頻回の施術等について、必要性を申請書に記載する
(4)往療(施術料と往療料の見直し・包括化)
(5)療養費の審査体制の強化

これらの項目一つひとつがきちんと機能し、不正が減っていくことが期待されます。

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